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◎“抜け感”てわかる??


今日の話はちょっとセクシーだぜ。結構重要なんで★3つにした。でもこんなとこ意識してできてる店はなかなか無い。これをやり過ぎで失敗してる店はあるけどね。
《スタッフの抜け感》てことなんだけど、実は加減が難しい。だからまずは、「そういうものなんだな」くらいに聞いといてくれればいいから。無理する必要はない。

飲食店に入って席についたらスタッフが水を持ってきて、「お決まりになりましたらお呼びください」ってシーン。このシーンが特別記憶に残ってる店なんて多分無いよね。全然普通のよくあるシーンだから無くて当然だ。
でももしこのシーンで、スタッフの女の子がニッコリ笑顔で「お水です♪」と言って水を置いていったらどうだろう?普通とちょっとだけ違う接客。接客マニュアルにも無さそう。言われた客は「ん?」となる。水にイチイチ「お水です♪」なんて普通言わないからね。客の頭には「いや水わかるし笑」とか、「お、おう、、」とか「ん?何じゃ?」とか思うはず。で、それがどうなるかというと、普段なら意識することなく流れていくこのシーンが、
客の脳細胞をくすぐるちょいイベントになる。
もしもここで接客したのが、マニュアル通りしっかりやれる“優等生スタッフ”だったとしたらこんなことは言わないだろう。そんな風に教わっていないから「お水です♪」なんて出てこない。

で、どっちがいいかって話だ。
お分かりの通り、「お水です♪」スタッフだ。しっかり学んでちゃんと振舞える優等生スタッフより、教わってもいないし言わなくてもいいことを勝手に言ったスタッフの方が結果的に良いってことだ。納得いかないかもしれんがしょうがない。
で、この通常から外した感じを僕は“抜け感”と言ってる。客に一瞬「ん?」と思わせる“違い”というか“ツメの甘さ”というか“ユルさ”というか“隙”というか。わかるかなあ?まあ7分後には理解してるはずだから。


◎人は適度な“抜け感”が好き



じゃあなぜ抜け感スタッフの方がいいのか?それには明確な理由がある。ちゃんとマニュアルを守っている優等生スタッフには気の毒だが、実はこんな仕組みがある。顧客心理の話だ。

まず人は、
完璧な人間よりもちょっと抜けてる人の方が好きだ。そこに人間味を感じて親近感が増すから。羽生結弦選手が会見で、「実はボク自転車乗れないんですよぉ」って言ってたよね。あんな並外れた運動神経の持ち主が自転車に乗れないの!?と。あれでどれだけのファンが失禁失神したことか。完全にやりやがったユズ王子。

客は通常の流れに慣れているから、抜け感スタッフの接客は「ん?」となる。普段なら飲食店のスタッフを意識することはあまりない(超可愛い場合を除く)が、ちょっと気になってしまう。スタッフの抜け感に親近感を抱くからだ。メチャクチャ気にするワケじゃないけど何となくうっすらと。普通の飲食店スタッフと客の距離感より若干近く感じる。
距離が近くなるとその相手のことをポジティブに捉えるようになるのが人の心理だ。政治家が選挙になると握手してまわるのもこれ。オバサマ方も進次郎にゾッコンでしょ?あれよ。
そのうち、料理を持ってきた時に一言二言話したり。んで、ムダにオススメ聞いたり、ちょい突っ込んで年齢聞いたり。そんなことしてるともう、注文ミスしても全然許しちゃう。頭からビールぶっかけられたって怒らない。それどころかそのハプニングがむしろ思い出イベントになる。ヤベーな笑

で、そんなのが後々、その店を脳ミソにインプットする時の材料になる。引っ掛かりだね。専門用語で「フック」ってやつ。味や価格以外に、スタッフもフックになり得るということだ。
これが優等生スタッフだったら、悲しいかな大して引っ掛からない。客は気持ちよく過ごせるだろうけど、でもフックとしては弱い。「ウチのスタッフみんなちゃんとしてるのに何でだよっ!?」ってシーフードピザを投げ付けたくなる人もいるだろう。だけどそういうものだから仕方がない。客の心理を知らずに接客マニュアルを作ってる方が悪いんだ。ピザは投げるな。

いい?ちょっと言っとくよ。
客も見ず、店の状況や時代の流れも感じずに、ただただ「決まりごとだから」と古臭いルールをいつまでも正しいと思い込んでずっとやってるのは怠慢だぜ。被害者ヅラしてないで変化に付いていかなきゃダメだ。状況を把握しろ。そして自ら生み出せ。「経験は創造性の対極にある」ってどっかの誰かが言ってたよ。過去に囚われるな。


◎抜け感の塩梅はお店による



わかってると思うが、「お水です♪」って言って水を出せってことじゃない。
スタッフの“抜け感”で客との絶妙な距離感を構築しろって話だ。あと「塩梅」と書いて「あんばい」と読むんだ。知ってた?

じゃあ抜け感スタッフをどう作るかってことだけど、実は意図的に抜け感を作るのは難しい。まあ「お水です♪」くらいは決め事としてやってもいいが、色々決め過ぎるとあざとさが出て失敗する。客との距離感は近付き過ぎると、その時は楽しくても後の印象として「疲れるお店」、もしくは「面倒くさいお店」になってしまうからね。これやって失敗こいてる店がいっぱいある。多分キャバクラで学んできたんだろう。
なのでまずは、スタッフ教育を工夫してみるといい。どうするかと言うと、スタッフには何でもかんでも完璧を求めないようにする。一定ラインを超えさえすれば良しとして、ある程度は目をつむること。ダメそうに見えるところもそのスタッフの個性としてグッと飲み込む。ちょいガマン。後々それが抜け感としてフックになっていく可能性があるから。

それでね、抜け感レベルってのはお店によって違うから気を付けないといけないよ。スタッフがダメ過ぎてイライラする店もあるし、キッチリ優等生スタッフのおかげで居心地がいいお店もあるから。なのでまずは自分のお店の雰囲気を考えてみてよ。で、どの辺りの抜け感が最適かを考えるんだ。それに合わせて接客マニュアルの“一定ライン”を決めてみて。まあこの辺は他の項でも多分触れてくから。

以上。どう?ちょっと難しかった?
この項に限らず、もしも理解も納得もイマイチできなかったら、それはあなたにとって新しい前進材料だったってこと。そういうものに出会ったらまずは何も考えずやった方がいい。未来が拓けるぜ。



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