top > 帰り際を印象的にする
◎イケアのソフトクリームが50円の理由


行ったことある人は知ってると思うんだけど、イケアは買い物して最後にレジを通った先に軽食のフードコートがある。そこで売ってるのがソフトクリームとかホットドックなんだけど、これがめちゃくちゃ安い。ソフトが50円、ホットドック80円。駄菓子屋レベルの驚愕価格だ。これが客にとってイケアに行く楽しみの一つになってる。
でもこれ、何でこんなに安いかわかる?ここだけ切り取ると、「原価いくら?儲けあるの??」と心配してしまうが、実はこれ、ちゃんとしたゴリゴリの戦略なんだよね。

何でもそうだが、
人は「最後」が印象に残りやすい。イケアはこの心理を利用して、一番最後の帰り際に激安ソフトを用意してる。ちゃんとゴハン系のホットドックなんかも。客は広い店内で買い物して、ちょっと疲れて小腹の空いた状態でここにたどり着く。疲労と空腹の客の前に激安のソフトとドック。砂漠に自販機状態。これはやられる。こんな状態なら何食っても美味いが、ホントに美味いからたまらない。「イケア超安くてメッチャいいとこ!サイコー!天国!」ってシールが脳ミソにベッタリと張り付く。ただでさえ商品も安いのに最後にこれだ。もう完全にイケアの虜。これは顧客心理を理解した超絶怒涛の顧客メロメロ作戦だ。ホント素晴らしい。僕が考えたことにして欲しい。

ちなみにこれが上手いのはタダじゃなく有料なところ。タダで出したってイケアとしては痛くも痒くもないんだよ。でもちゃんと払って買わせることに意味がある。
無料だと、「貰えて当たり前」って意識が働く。すると得したって感覚でなく、それを当たり前の権利と思ってしまう。「ソフトの分もアームチェアの価格に乗せてるんじゃね!?」とさえ思う人も出てくる。品切れなんかになった日にゃあ大クレーム嵐だ。でもこれを有料で安く買わせることによって、「また得しちゃった♪」という印象を残すことができる。買わなきゃ損!とさえ思うだろうね。金も取れて好印象。しっかりWINWIN。実に素晴らしい。


◎普通と違う最後をつくる



じゃあ実際、飲食店でどういう形で最後を印象的にするのか。飲食店の最後なので、支払いのタイミングか店を出る時、その辺だよね。で、考え方のポイントとしては、普通の飲食の流れを壊すイベントをチョイ挟みすること。わかりづらいね。説明するよ。
流れを壊すイベントベスト3はこんな感じ。記憶に残りやすい順。

1位 ちょっとの無関係な話
2位 ちょっとの謝罪
3位 ちょっとのプレゼント

まず、《ちょっとの無関係な話》。これは例えば、支払い中のお客に、「それ筋肉少女帯のツアーTシャツですよね?行ったんですか?私も好きなんです!」と。飲食の流れとは全く関係ない、客の趣味の話をする。普通なら支払いして、「ありがとうございました〜!」で終わりな流れに、違うイベントをチョイ挟み。これはかなり記憶に残る。
まあ共通の趣味なんてなかなか無いから例えば、「ズボンのチャック全開です!」でもいいし、「髪型ムロツヨシですね。私ムロ好きなんですよ〜^^」でもいい。とにかく客の頭に「!」を浮かばせるひと言をぶち込む。
次に《ちょっとの謝罪》。これはたまにあると思うんだけど、例えば注文もらったマグロブツが品切れだったとする。注文時にも品切れについて謝ってるんだけど、これを最後にもする。客が店を出る時に、「明日からマグロ100キロ仕入れてきます!すいませんでしたー!」と。ポイントは、謝罪だけどちょっと面白く。客だって別に怒ってもいないし、忘れてるかもしれないことだからこれくらいしてもいい。
で、《ちょっとのプレゼント》。これはよくレジのとこにガムとかアメとか置いてるよね。お好きにどうぞってやつ。モノはそれで十分なんだけど、勝手にどうぞではなく、こちらから渡してみる。例えばひと言、「何色好きですか?赤?じゃあイチゴどうぞ^^」と言って渡す。男の客に女の店員が渡す、女客に男店員が渡すってのがいいと思ってしまうが、男客に男店員が渡したら記憶に残りやすい。オッサンがオッサンに「何色が好き?」なんて聞いてたらメチャクチャ笑えるでしょ。
以上が流れを壊すイベントベスト3。わりと簡単でしょ?でも効果デカイよ。
でね、これらは全部やる必要はないから。って言うかやっちゃダメだ。どれか1つだけでいい。お客1グループに1つでOK。2つも3つもだとしつこくなって、面倒くせー店だなって思われる。

ちなみに、過度のお見送りは微妙だよ。服屋でさ、買った商品を店員が持って店先までお見送りのやつあるじゃん。レジでそのまま渡してくれればいいのに。優越感の演出だろうけど正直気持ち悪い。店員もやりたくないだろうし、客もそこまでしてくれなくてもって気持ちになる。反面、キャバクラで女の子が見送ってくれるのは最高に嬉しい。でもそれは酔ってるし払ってるし、何より女の子達に見送って欲しいから。お店側もそれでまた来店してくれるならハッピーだからこれはWINWINになる。
だからTPOだね。お見送りは。普通の飲食店でそこまでする必要はない。


◎一歩踏み入って得るもの



でね、これらの行為で何が得られるかをちゃんと理解しといて欲しい。
客はお店と、一連の飲食の流れから外れた内容での関係性を持つことになる。つまり、趣味のことや気の利いた謝罪、変な絡み、とかね。そうすることで「よくあるその他大勢のお店」から、「なんとなく知ってるお店」に昇格する。ほんのちょっと踏み込んだコミュニケーションを取ることによって、客の脳ミソの中で他の店より半歩前に出ることができる。「知り合いの店」とまでは行かないが、確実に選びやすいお店になっていく。これが狙いね。
ただ、何度も言うがあまりコッテリやらないように。ここまででわかったと思うが、これは店と客との距離感の話だ。いきなり近付き過ぎると離れてくぞ。モテない男パターン笑


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